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ヒマつぶし情報

2023.08.31

【キタコレ!】伊藤桃連載vol.41 列車が通る宿泊のできる駅とは?

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北海道は函館本線にある比羅夫駅―この駅を訪れる列車は、上り下り合わせてもたった12本。そして駅からの公共交通機関はありません。そこにあるのは鳥のさえずりと木々のざわめき、そしてただゆっくりと過ぎていく時間。

この駅に…なんと宿泊することが出来るのです!

今回ご紹介するのは、駅舎に停まれるお宿「ひらふ」。入口は駅の待合室にあります。

この比羅夫駅に降りたのは私たちのほかにもう1人だけ。そのもう1人もやはりこのお宿のお客さんでした。宿泊は1日3組まで。限られた人数で、この“贅沢”な空間を堪能できます。

築60年以上の駅舎。

中に入るとレトロなストーブがある…

木をベースとした、ほっこりとした空間が広がっていました。

こちらがロビー。朝食はここでいただきます。また、ほかの宿泊者さんたちとの憩いの場でもありました。

サボなども飾られており、鉄分も豊富!

お茶やコーヒー、お水は無料でいただけて、お酒類などは購入することもできます。

またスリッパ、歯ブラシといたアメニティもそろっています。

肝心なお部屋はこちら。

私たちが宿泊したのは駅舎の2階、ホームを見下ろせる“深緑「ヴェール」”。かつて大阪と札幌をつないでいたトワイライトエクスプレスの塗装色から名付けられたそう。

ちなみに駅舎だけではなく、ログコテージもあります。

さて、この比羅夫の楽しみといえばなんといってもこちら。

なんと、駅のホームで飲むことがきるのです。

チェックインしてすぐ、北海道の涼しい風の中で昼から飲む酒の美味しさは格別でした。

種類もクラフト地ビールや、ご近所のニセコの地酒や地ワインから缶チューハイまでそろっております。

お値段もチューハイは200円、カップ酒は350円と酒屋価格でありがたい。

そして、18時からの夕食は炭火焼ジンギスカン!!

じゅうじゅうとお肉を焼いていると帰宅途中の学生さんたちを乗せた列車が通り過ぎていきました。

ほろ酔いの大人は思わず手を振ってしまいましたが、彼らからしたらこれも日常の1コマなのでしょう。

蘭越米の自慢の焼きおにぎり、そして夕張メロン付きでボリュームもたっぷり。ちなみにこれ、全部1人前です。

メロンやお野菜などは季節によって旬のものを出してくれるそうです。

幸せ気分で、一緒に行った山本紗由美ちゃんとカンパイ!

夕食はほかの2組のお客様も、みんな同じくホームでいただきます。こちらのお宿のコンセプトは“お客様同士が仲良くなれる宿”。せっかくなので皆さんともカンパイ。それぞれ別々な地域から来た人々が、このお宿に惹かれてこの日この空間だけ、酒を交わす。これぞ、旅の醍醐味ともいえる時間でした。

ちなみにこちらは露天風呂、丸太で作ったオーナーお手製のお風呂です。このお風呂に入って夜空を見上げたら、まさにジブリの世界に迷い込んだよう。清潔案あふれる内風呂もあります。

比羅夫の終電は、小樽行きの21:28。

しんとした世界は、いつもよりも早く夜更けが来たようでした。

朝食は朝7:30からロビーにて。北海道産いくらの小鉢付きなのが嬉しい。思わずご飯をおかわりしてしまうほど、お米もおかずもたいそう美味しかったです。

ちなみに1組のお客さんは、朝食前の始発で次の街へ。列車の音がラッパのように、目を覚ました私たち。部屋から、大きな声で「さよーならー!」とご挨拶しました。

チェックアウトは朝10:00。少し時間があったので、朝のお散歩へ行ってまいりました。

昨今、国内外を問わずスキーヤーに人気のニセコは隣駅。山奥ではありながら、少し足を延ばせば集落もあり、また飲食店もあります。朝霧で撮影はできなかったのですが羊蹄山も間近に見えました。宿にはレンタサイクルもあるので、自転車を借りてサイクリング、なんて楽しみ方もできます。

駅が、まるで自分の家になったよう。今回私たちが宿泊したお部屋は、2名だと1人6,000円で、1泊2食付きでした。

実はこの比羅夫駅がある函館本線“山線”と言われる区間は、北海道新幹線延伸に合わせて廃線が取りざたされています。列車が来る比羅夫駅に停まれる期間は有限。ぜひ、“泊まれる駅舎”へ行ってみてはいかがでしょうか。

今回の探索人

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